熟年離婚のご相談は非常に多いです。

弊所にご相談いただく離婚事件の相当な割合が50代中頃以上の方による熟年離婚です。

実際に結婚して25年以上の方も少なくありません。

長年連れ添って離婚に至ること自体は残念なことですが、平均寿命が80歳を超えるわが国では、まだまだ人生半ばでもあります。

熟年離婚特有の注意点について、ご紹介します。

財産分与における退職金問題

財産分与において中心的な争点となるのが将来受給する退職金に関する問題です。

50代半ば以上の方の場合には、退職金を将来受給できる可能性が高まりつつあります。

公務員か私的企業か、会社の規模、退職の年齢、退職金規定(計算方法)の存在、退職金の支給実績等様々なケースがありますが、たとえ将来支給予定であっても、将来受給できる可能性が高い場合には、財産分与が認める裁判例が多いです。

なお、退職金に関しては、退職が直近である場合には定年退職の金額が基準となりますし、退職まで期間がある場合には自主都合退職を基準とする場合もあります。

裁判例では、将来の退職金に関しては、退職金受給時点での分与を認めるものと離婚時点で退職金相当額の一定割合を認めるものがあります。

離婚裁判や審判での決着となった場合には、支払い時期が退職金受給時点となる可能性もあることを見据えて調停を遂行する必要があり、調停で離婚時に給付を受ける内容で決着することにも相応のメリットがあります。

不動産をめぐる問題

生活スタイルは多様化しているとはいえ、20代から30代周辺で結婚し、子どもが生まれ、自宅を購入するという人生設計は根強く人気です。

30代の離婚であれば、オーバーローンの負担問題が中心的な争点となりますが、50代半ば以降の場合は逆にアンダーローンの清算問題が生じることが多いです。

退職までまだ期間がある方の場合、不動産、退職金といった現時点で処分できない財産が財産の多数を占めていることも多く、不動産は価格の争いも生じやすいため、調停も紛糾することが多いです。

まず、アンダーローン不動産がある場合には、不動産を一方が取得し、多く取得した分を現金などで精算を行うという方法と任意売却するという方法があります。

清算するための現金がない場合という理由で、任意売却することもあり、その場合には離婚交渉調停が長期化する傾向にあります。

子どもが学生である場合には、一方が取得するケースが多いですが、その場合には、実際に売却するわけではないため、特にその価格に関して争いが生じやすいです。

原則として不動産業者の査定書により価格を決定することが多いですが、場合によっては不動産鑑定士の鑑定を行う場合もあります。

年金について(年金分割、確定拠出年金、企業年金等)

年金分割に関しては、年齢に従って関心が高まるものですが、種類や内容を誤解されている方も多いです。

以下、間違いやすい種類の年金を記載していきます。

年金分割は、簡潔に説明するならば、厚生年金の婚姻期間中の掛金記録を一定割合で按分するという制度です(厚生年金は掛け金が多ければ多いほど、将来の受給額が増額します)。

実務上は、特別な事情がない限り、結婚から離婚成立まで(別居までではありません)の掛金記録を1対1の割合で按分することが多いです。

確定拠出年金は、企業や個人が退職後の生活資金の貯蓄の一つの方法としてかける私的年金で、高齢になるまでの間支払いがされない代わりに税制上優遇されています。

確定拠出年金では、一時金又は年金での受け取りを選択することができ、運用商品は個人で選択することになり、元本割れリスクがある商品も組み込むことができます。

一方、企業年金は、企業が従業員のためにかける企業の私的年金で、基金又は企業が運用し、決まった金額を年金または一時金として支給するという制度です。

一定年齢にならなければ、支給されないという点は企業年金と同じですが、確定拠出年金と異なり、個人が運用資金を決めることはできませんが、その代わり決まった金額が年金として支給されます。

確定拠出年金、企業年金はいずれも、貯蓄という性質があるため、財産分与として問題になります。調停段階では基本的には一時金を基準として評価する場合も多いですが、退職までの期間が長期間の場合には前に記載した退職金と同様の問題が生じます。

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