私は不倫をしてしまいました。離婚することはできますか。
不倫がある場合には、ない場合に比べて離婚することが困難となります。
不倫をしてしまいました。何とか離婚することはできないでしょうか…
不倫をした側から、このようなご相談をお受けすることも多数あります。大抵の場合には、配偶者に不倫が発覚して、事態が混乱した状態でご来所されることが多いです。
インターネットの情報を見られて、10年以上は離婚できないのではないか等とある程度知識をもって来所される方もいらっしゃいます。
実際に、不倫をした側が離婚をするということはできるのでしょうか。
まずは「有責配偶者」について解説しましょう。
婚姻期間中に、配偶者以外の第三者と男女関係になることは、夫婦の貞操義務に違反する「不貞行為」と呼ばれています。
不貞行為を行った結果、夫婦関係を破綻させた配偶者は、もう一方の配偶者に対して、「有責配偶者」であるとして、原則として信義則上離婚を請求することができないとされています。
かつては、有責配偶者による離婚請求は認められていない時代もありましたが、現在は最高裁昭和62年9月2日判決やその後の判例により、3つの要素を総合考慮して、離婚請求の可否を決めるという考え方が主流となっています。
①夫婦がその年齢及び同居期間と対比して相当の長期間別居していること、②その間に未成熟子がいないこと、③相手方配偶者が離婚によつて精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情のないことの3つの要素を考慮するとされています。
現在では3つの要素すべてを満たしていなければならないとまでは考えない見解が有力ではありますが、少なくとも一般に婚姻関係が破綻するとされている期間よりは相当長期間の別居が必要だと考えられています。そのため、インターネットで検索すると「10年以上の別居が必要」等の表現が出てくることも多いです。
不倫によって家庭を壊してしまった場合には、「有責配偶者」としての責任を取ることは必要なことだと思います。しかし、一方配偶者と離婚交渉することは決して無駄なことではありません。
「有責配偶者」だからという理由だけで離婚をあきらめる方がいらっしゃいますが、これも誤りです。
実際に司法統計では、離婚申立ての約30%が「異性問題」にチェックしており、その中の相当割合が不貞だと推測されます。しかし、実際に、不貞がある場合に離婚が成立しないかと言われれば、不貞により離婚拒否のまま離婚が成立せずに終わる離婚の方が稀です。
不倫によって家庭を壊してしまった場合には、「有責配偶者」としての責任を取ることは必要なことだと思います。しかし、一方配偶者と離婚交渉することは決して無駄なことではありません。
では、どのような場合に離婚が成立しやすいですか。
有責配偶者であっても、離婚が成立することは稀ではないとお伝えしました。では、どのような場合に「有責配偶者」であっても、離婚が成立しますか。
離婚が成立しやすい典型的なパターンは、双方ともに30代前半までの場合で、子どもがいない場合です。不倫をされた側も、異性関係で信用できない配偶者よりも次の配偶者を探したほうがよいと考えるからです。
もう一つのパターンは、離婚に伴う金銭的なケアをすることにより離婚をするケースです。
例えば、慰謝料に加えて、養育費を婚姻費用と同水準にするというケースもあります。離婚を拒否した場合の金銭的メリットに近い金銭補償をすることを条件に離婚をするというケースです。
弊所の弁護士も有責配偶者側で離婚を成立させたことが多数ありますが、40代以上の方の場合(特に男性側)、この方法により離婚を成立させることが多いです。
離婚を拒否する経済的利益(婚姻費用、社会保険料、各種手当、将来離婚した場合の各種離婚給付の回収可能性)、精神的な負担、婚姻ができないことによる負担等を具体的に算出し、交渉や調停で離婚条件を探っていくことが必要であり、専門的な知識が必要となる分野です。
もちろん必ず離婚をすることができるわけではありませんが、簡単にあきらめずに、ご相談いただければと思います。
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